【実録】初めての精子検査、行ってみたらこんなところだった

2020.12.10
1万円で分かる、自分の精子のこと

きちんと妊活してるのに、なかなか妊娠の気配がない…。「もしかして、精子に問題アリ…?」と思ったら、まずは精子検査に行ってみよう。とは言え、女性は不妊かなと思ったら「産婦人科」に行けばチェックできるのに、男性はどこに行けば精子をチェックできるのだろうか。泌尿器科?それともマタニティクリニック?即答できなかったあなた、この記事を読んだほうがいいかもしれない。そして編集部員自ら体験した初めての精子検査の結果は…?(取材:Bable編集部/撮影:栗原洋平)

精子検査に、付け焼き刃は通用しない

今回、精子検査のために足を運んだのが、恵比寿駅から徒歩5分の「恵比寿つじクリニック」だ。ここは都内でも数少ない「男性不妊に特化した」クリニックだ。事前にインターネットから予約をしておけば、待たずにすむ。病院内で採精し、結果は約1時間で出る。

ドキドキしながら恵比寿駅に降り立つと、精子検査の先人、編集長の新井から厳しい言葉が。

「健康診断の場合は2,3日断食すれば結果がよくなるでしょ?でも精子に付け焼き刃は通用しないから。自分の過去の食生活や肉体の情報がすべてちゃんと出ちゃいますよ

今まで精子のことなんて考えたこともなかった…。20代の不摂生、30代の運動不足…。胸に手を当てれば、そこら中に心当たりがある。

少々動揺しながら、クリニックに入り、受付を済ませると、早速「採精室」に通される。そこで渡されるのがプラスチックコップだ。ここに検尿のように、射精しなければならない。まずスタッフからは「禁欲日数」を質問される。禁欲日数は精子の質に影響するので、必ず覚えておこう。紙コップに名前と日数を記入すると部屋にロックをかけ、準備万端。リラックスして臨めるように足を伸ばせる椅子もある。あとは射精するのみだ。

いつもは簡単に射精できるはずなのにっ…!

……が、その射精がなかなか難しい。普段であれば難なくできるはずなのだが、「検査」としてやってきた以上、正直なかなかそういう気持ちにならない。部屋にはヘッドフォンとともにアダルトDVDや本も置いてあるのだが、緊張のせいか、なかなか射精感がこみ上げてこない。

15分ほどして、なんとか射精。あとは検査結果を待つのみだ。ちなみに検査費用は1万円ほど。1万円で精子の状態がすみずみまで分かるなら、むしろ安いと言えるだろう。1時間ほど待合室で待機していると名前ではなく受付番号で呼ばれる。診察室に入ると辻先生から検査結果を告げられる。

以下がクリニックで渡される検査結果だ。

参考基準値、とは「最低限クリアしたい数値」のようなものだと思ってほしい。つまり、精液量は1.5ml、総精子数は3900万以上ないと妊娠の可能性はかなり低くなってしまう。その他にも精子濃度や正常形態率などの項目が測定される。この画像は名前を隠しているが、実際の検査結果だ。

では男性不妊を専門にして20年以上のスペシャリスト、辻先生に話を聞いてみよう。

専用技師が手で精子の数を測定する

――そもそも不妊の定義とは何でしょうか?

1年間子作りを励んだけどできない状態を「不妊」と呼びます。日本では昔は「2年」にしていましたが、諸外国の定義に合わせて1年になりました。中でも男性不妊の場合は精子の所見が悪い、これに尽きます。

――女性のマタニティクリニックでも精子の検査をやっているところはあります。こちらのクリニックでは何が違うのでしょうか?

検査方法が全然違いますね。婦人科のほとんどが機械でやっているんですよ。サンプルの量が少ないので、とくに精子の数が少ないときには機械の方がどうしても誤差が大きい。機械では数と動きしか見ていないんです。それ以外の項目は基本見れません。当院では専用の技師が両手にカウンターを持ってカチカチと手動でカウントしながら、目視で精子の数と動いている精子を数え上げていきます。さらに、まったく別の検査として「正常形態率」と言って、正常な形をした精子の割合や、「精子生存率」といって生きている精子の割合まで測定しています。

――なかなか男性不妊に特化しているクリニックはないので、もっとフランクに男性が精子検査ができるようになるといいですね。

ええ。もし、悩んでいるのなら、うじうじせずに一度精子の検査を受けてみることをおすすめします。