【実録】37歳、“不妊治療オタク”の闘病記

のめり込んだら徹底的にやるーー。そんな性分で男性不妊を乗り越えた人がいる。現在都内乗り切ったIT企業で働くYさん(37歳)だ。妻の年齢的な「リミット」も差し迫る中、発覚した自身の精子の問題。一時期は「夫婦関係に支障が出るんじゃないかと不安になった」と振り返る。一念発起して不妊治療に乗り出した。「僕、やるって決めたら徹底的にやるんで。不妊治療オタクだったかもしれませんね」と笑う。不妊治療への向き合いかたは十人十色。Yさんの不妊治療の実録闘病記を紐解いていこう。

不妊治療PDCAサイクルの始まり

「自然妊娠は無理だと思います。諦めてください」。医師から無慈悲な一言が告げられた。結婚してから4年、「子どもはいつかできたらいいね」という気持ちで、気ままな2人暮らしを続けてきたが、一向に妊娠の兆しはなかった。検査を受けに来たところ告げられたのは自身の精子の問題だった。精子の運動率が、1%以下で、目安の40%程度という水準を大幅に下回っていたのだ。一方Yさんの妻の卵子に特に問題は見当たらなかった。典型的な男性不妊だ。

元々子ども好きだというYさんの妻に対して、「申し訳ない」という気持ちが先立った。Yさんは「最大のプレゼントをできないんだという喪失感があった。夫婦関係にも支障がでるんじゃないかと」と振り返る。

夫婦の関係に大きな影を落とす不妊問題。あまりの事態の重大性にオロオロしてしまいがちな夫婦が多い中、Yさんの動きは早かった。情報収集に乗り出し、対策を講じ始めたのだ。

「“凝り性”だったのもプラスだったかもしれません。なので、効果が出るかわからないけど、やれることは全部やってみよう」

理系の大学院を卒業し、現在は都内のIT企業で働くYさんの“不妊治療PDCAサイクル”を回す取り組みが始まった。

まず考えたのが外科手術だ。今回であれば精索静脈瘤の手術を受けようと決めた。

「YouTubeでも精索静脈瘤について話している人はいますし、体外受精と比べれば少額で済む。なら受けてみようって」

1カ月で手術を決断

男性不妊が発覚してから手術を受けるまでの間はなんと1カ月。「むしろ妻が驚いていた」というほどの早さだ。ここまでスピーディーな決断をしたのには妻の年齢的な問題もあった。

「僕の不妊が発覚した時、妻は33歳の時で。高齢出産で大丈夫とは思うけれど、自分たちにはそもそもほとんど時間は残されてないんじゃないかと思いました」

無論、精索静脈瘤の手術を受けたからといって解決するわけではない。遺伝や先天的な原因であれば、解決の見込みは少なくなる。ただYさんは手術を受けると決め、即座に行動に移した。

「手術を受けた後って数値が気になるじゃないですか?でも僕はその後にこまめに検査を受けることはしなかったんです。結果の方を求めちゃって、仮に数値が良くてできなかったときのショックもでかいし。数値が悪くてできたときの喜びというか、そっちにかけると検査しない方が結果的に心は健全なんじゃないかと思って」

目先の数値で一喜一憂するよりもやるべきことがあった。手術を受けると決めてからYさんの生活は一変する。次回はYさんの情報収集の方法と実際に取り組んだ内容を詳細に明かそう。