【実録】海外論文にラム肉探し… 不妊治療にやった全部を公開

男性不妊が発覚したYさんはどのようなアクションを起こしたのだろうか。

「理系の大学院を出ていたので、データを集めるところからはじめました」

早速、論文の渉猟を始めた。クラウドソーシングを活用し、英語圏を始めとして海外の論文を集め始めた。さらに翻訳サービスを活用して収集した論文を翻訳しまくったのだ。

「その時に知ったのがまず何より食生活の改善が必要だということ」

そこでまずは生活の改善に乗り出した。不妊治療を始める前までは典型的な夜型生活で、毎日4時間半ほどの短い睡眠時間だった。「短時間の睡眠は精子にダメージを与えているという論文を見つけました。そこで22時半に寝て6時に起きる生活に変えました」。

7時間半の睡眠の質を上げるために10万円ほどのマットレスに買い替えた。他にもサウナやこたつ、ホットカーペットの上に直接座ったり、膝上PCなど下腹部を温める行為は控えた。

さらに食事の改善ともなるとそのこだわりぶりは加速する。

「論文の本数自体が海外でも少なかったんです。唯一出てきたのはエルカルチン成分が、精子の運動量に影響を与えるという論文でした。エルカルチンが多く含まれているのがラム肉とあったんです」

そこからYさんのラム肉探しの旅が始まった。日頃の家庭料理にラム肉を取り込むのは難しい。そこで週末に集中して恵比寿や代々木・中目黒へ繰り出した。

「効果出るかわからないけどやれること全部やるぞ」

そんな気持ちでラムを食べ続けた。Yさんの意外な発見がラム肉の調理の幅は意外と広かったことだ。ジンギスカンだけではなく、ラムカレー・ラムハンバーグ、ローストラムなど様々な食べ方があった。ちなみに、Yさんのおすすめのお店は「ビストロひつじや」だという。

他にも運動不足を解消するためにスクワットを開始した。「運動は血流アップや男性ホルモンが出るので、有効だと聞きました。YouTubeなどを見ながら手軽にできます」

ここまで様々な手段を講じているにも関わらず、サプリメントを摂取することはしなかった。なぜか。

「論文で面白いものが見つかったんです。世の中に出ている男性不妊用のサプリメントには効果があるとは言えないっていう論文を見つけたんですね。なので単純なマルチビタミンとか、あとはアミノ酸系のPPAとか、脂肪酸とかそういった、なかなか普段取りにくいものはサプリメントで摂るようにしました」

海外の論文を散々漁ったYさんだったが、信頼できそうな論文は10本程度だったという。そもそも日本で出版されている書籍を見たが数冊程度しかなかった。

「あまり研究自体も全然進んでなさそだなという印象です。確かで有益なエビデンスのある情報ではなかったので。とにかくこれが良さそうだろうっていうのを片っ端からやってみた感じです」

何が効果的だったかはわからない。ただ、手術から半年後、Yさんは無事に自然妊娠へと至った。約1年弱の不妊治療を経て、何を思うのだろうか?

「ちょっと情報が少なすぎるのは1つあります。それになかなかオープンに言える場所がないんです。今では逆に僕から“俺、色々問題あったから、お前も検査受けた方がいいよ”って言えるようになったんです。あと妊娠ってやっぱり神秘的なことで、そこにオカルトめいた情報が入ってくることもあります。“信じるか信じないかは自分次第”という感じで、なかなか正確な情報が増えてくれるといいな、と思っています」。